■ 創作童話

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★ 我が輩は鵯(ヒヨドリ)である。(その12)   (正和 作)


 我が輩は鵯である。


我が輩は鵯である。(その12)       (正和)

 

   耳のお地蔵さん

道を川まで引き返して今度は左に登ると「上地(カミジ)」の集落に出ます。その途中に1体のお地蔵様がある。

このお地蔵様は耳の病に苦しむ方を救ってくれると言い伝えられ、直してもらったならば穴のあいた石をお供えするとよいと言われています。いまもすぐこの上に住んでおられるSさんがお掃除などの世話をして下さっているそうです。

我が輩は考えるのだが、夏になると人間の子供さんがなぜ川に遊びに行くのだろうか?
実際に自分が河原に来てみるまでわからなかったが、来てみて、なるほどと感心する。水の中に入らなくても涼しくて、我が輩も純毛の洋服を脱ぎたいと思わなくなった。

上地から下りてきたこの付近を「たけのおりと」と呼んでいるがどんな漢字で書くのかは知らない。川を少し下ると「鍋蓋」と言う淵がある。なぜこの名が付けられたのか? 岸にある岩が似ているからなのか?

そこから下ると次にあるのは「おきゃくち」だ。ここの名は御主人も知らなくて、甥のBさんに教えてもらったそうだ。少し下ると「おりと」と言ってお正月の門松を取ってくる孟宗竹の林があり、右に登れば国道311号線が走っている。

ここは御主人の家の田圃があり結婚以来真剣にお米作りに励んできたが、近年になって道路が改修されて在所の方を通っていたのが川の反対側を通ったので田圃は姿を消して、四村川の上には2つの皆地橋が出現したと言う次第だ。

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 このお話は、私が最近知り合った本宮町に在住の正和さんという方の創作童話です。
 正和さんの許可を得て、こちらに転載させていただくこととなりました。
 今回のお話は、正和さんがお住まいの皆地(みなち)を舞台にした物語です。

 皆地には皆地生き物ふれあいの里があります。
 皆地いきものふれあいの里では、約20ヘクタールの敷地のなかに「ふけ田」と呼ばれる湿田や森林があり、約600種類もの動植物を観察することができるそうです。観察室、標本展示室を備えた「皆地いきものふれあいセンター」も併設。駐車場あり、入場無料。

和歌山県田辺市本宮町皆地の観光名所

(てつ)

2009.7.4 UP

 

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