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藤原頼資『修明門院熊野御幸記』(現代語訳6)

藤原頼資の修明門院熊野御幸随行日記(現代語訳6)

 承元4年(1210年)の修明門院の熊野御幸に随行した藤原頼資(ふじわらのよりすけ)の記録『修明門院熊野御幸記』を現代語訳してしてご紹介します。このページは5月5日〜7日の分。

  1. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳1
  2. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳2
  3. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳3
  4. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳4
  5. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳5
  6. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳6
  7. 藤原頼資『修明門院熊野御幸記』現代語訳7

 漢文は不得手なので、間違っている箇所が多々あると思います。お気づきの点などございましたら、メールフォームはこちら

修明門院熊野御幸記

5月5日

五日、壬辰(みずのえたつ、じんしん)。
早朝に宝前に御参り。牛王奈木の葉を進める〔御先達が進める、御輿に入御、宝印を捺す〕。お還りになる〔人々は化粧あり〕。

佐野で昼御養がある。
新宮に御着きになる。今日は五月会である。よって河原において仮屋を構え神殿とする。杉の葉をもって葺いて幕を引き回す。神供を供える。依為魚味仮この儀式があるとのこと。八女など成群。
御先達が申されて言うことには、「御幸を待っていまだ神供を供えていない、河原に行きなさい」とのこと。よって昇り奉って御輿に居る。
人々はつつしんでお仕えする。祢宜が神酒を献ずる。御先達がこれを取って御輿に進み入る。御飲みになったか。すぐに出られる。次に御輿に順番に進む〔上北面、進み入る〕。次に人々が御盃を給う。これを飲み下す。

5月6日

六日、癸巳(みずのとみ、きし)、天気晴れ。
早朝に宝前に御参り。御着きになる間に、那智での儀式のように、門の下において奈木の葉牛王を進める。
次に御乗船。楊枝河原で昼御養、謂えども用意無入御。
未の刻(※午後2時頃)に本宮に御着きになる。宝前に御参り。次に御所に入御。


次に八女が袖を翻す。御先達が扇をお与えになる。次に宝前に御参りして、御所に御下がりになる。
夜に入ってまた宝前に御参り。次に礼殿御所に御参り。御加持があり、布施をお与えになる。次に乱舞の事がある。

5月7日

七日、甲午(きのえうま、こうご)、天気晴れ。
早朝に御前に御参り。東戸において奈木の葉・大豆粉・牛王を進める。予は御輿の前にお仕えする。

次に湯川で例のごとく昼御養。次に近露に着く。予宿侍。

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(てつ)

2010.10.31 UP
2020.9.1 更新

参考文献