■ 創作童話 |
|||
|
|
||
★ 我が輩は鵯(ヒヨドリ)である。(その6) (正和 作) |
|||
我が輩は鵯である。
6 甘夏 7 四村川 8 黄金蜘蛛 9 虫送り 10 お花淵 11 堤の池に沈んだ緋鯉 12 耳のお地蔵さん 13「しばのはち」の針金橋 14 ふけ田と四村川の小魚たち 15 無花果 16 2001年 17 山鳩 18 旅立ち。 我が輩は鵯である。(その6) (正和)
甘夏 ある日の夕方、茶畑から飛び立った烏君が口をいっぱいに開いて甘夏を丸ごと1個くわえて「上地(カミジ)」の在所の方に飛んで行った。我が輩はあまり物事には動じない方だが、これにはいささか驚いた。いくら「食いに釣られる」と言っても、よくまああれだけ重い物を持って。飛ぶ羽の力、そして落とさないでくわえているクチバシの力、所詮、我が輩には真似の出来ない芸当だ。いや我が輩達が一番尊敬する御主人様でも真似る事は不可能であろう。 それを眺めていた御主人様が何を思ったのか花菖蒲の畑の方に行ったので、ついて行って見ると、甘夏の木の下でなにやらゴソゴソしている。なにをしているのだろうと、その木の枝に飛んで行き、よく見れば、自然落果している甘夏を、いつも持っている肥後守のナイフで輪切りにして並べている。5個ほどあった全部5等分か4等分の輪切りにして並べ終えると、我が輩の顔を見てニコッと笑っている。そして、その場から少し離れて我が輩を見ている。 そう言ったような訳で食べ物にはあまり不自由はしないが、だんだん暑さが厳しくなってくるのには閉口する。 このお話は、私が最近知り合った本宮町に在住の正和さんという方の創作童話です。 皆地には皆地生き物ふれあいの里があります。 和歌山県田辺市本宮町皆地の観光名所 (てつ) 2009.6.24 UP
|
Loading...
Loading...
|
楽天おすすめ |
|
|
|||
|
|||