■ 熊野の歌

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◆ 続後撰和歌集


 『続後撰和歌集(しょくごせんわかしゅう)』は、鎌倉中期、後嵯峨院の院宣により藤原為家が撰集した10番目の勅撰和歌集です。
 『続後撰和歌集』全20巻1377首のうち、歌の本文に「熊野」の語が登場するものは2首、詞書に登場するものが2首。あわせて4首、「熊野」が登場する歌があります。

1.巻第一 春歌上 42

洞院摂政家百首歌に、霞/正三位知家

みくまのの浦のはまゆふ いくかへり春をかさねてかすみきぬらん

2.巻第九 神祇歌 563(旧555)

建長二年三月、熊野に御幸ありし時、まゐりていはしろの松にむかしを思ひいでてかきつけ侍りける/前太政大臣

年をへて又あひ見ける契をもむすびや おきしいはしろの松

3.巻第十五 恋歌五 942(旧938)

いくかさねといひおこせたる人の返事に/和泉式部

とへとおもふ心ぞたえぬわするるを かつみくまのの浦のはまゆふ

4.巻第十七 雑歌中 1178(*1175)

くまのにまうでける道にかきつけ侍りける歌の中に/源有長朝臣

さても猶しづのを山田うちかへし おもひさだめぬ身のゆくへかな

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 『続後撰集』から見つけられた熊野関連の歌は以上の4首。もしかしたら見落としがあるのかもしれませんので、もし他にありましたら、メールや掲示板にてお知らせください。

(てつ)
2006.1.26 UP

 ◆ 参考文献

『新編国歌大観 第一巻 勅撰集編 歌集』角川書店

■『続後撰集』に登場する熊野の地名
・熊野…4ケ所
 内、
 み熊野の浦…2

■勅撰和歌集とは:
 天皇や上皇の命令によりまとめられた和歌集のことをいいます。
 10世紀初めに成立した最初の『古今和歌集』から15世紀前半の『新続古今和歌集』まで21集があります。順に並べると、

1. 古今和歌集
 (醍醐天皇)
2. 後撰和歌集
 (村上天皇)
3. 拾遺和歌集
 (花山院
4. 後拾遺和歌集
 (白河天皇
5. 金葉和歌集
 (白河院
6. 詞花和歌集
 (崇徳院
7. 千載和歌集
 (後白河院
8. 新古今和歌集
 (後鳥羽院
9. 新勅撰和歌集
 (後堀河天皇)
10. 続後撰和歌集
 (後嵯峨院
11. 続古今和歌集
 (後嵯峨院
12. 続拾遺和歌集
 (亀山院)
13. 新後撰和歌集
 (後宇多院)
14. 玉葉和歌集
 (伏見院)
15. 続千載和歌集
 (後宇多院)
16. 続後拾遺和歌集
 (後醍醐天皇)
17. 風雅和歌集
 (花園院)
18. 新千載和歌集
 (後光厳院)
19. 新拾遺和歌集
 (後光厳院)
20. 新後拾遺和歌集
 (後円融院)
21. 新続古今和歌集
 (後花園天皇)

となり、1〜3を三代集、1〜8を八代集、9〜21を十三代集、全部をまとめて二十一代集といいます。

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