■ 熊野の歌

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◆ 新千載和歌集


 『新千載和歌集』は室町前期に編纂された第18番目の勅撰和歌集です。
 延文元年(1356)後光厳天皇の勅により、二条為定(にじょうためさだ。1293-1360) が撰し、同四年(1359)に成立
しました。

 『新千載和歌集』二十巻約2360首のうち、「熊野」の語が登場する歌は、詞書まで含めて1首のみ。

1.巻第六 冬歌 659 白河院の歌

熊野に御幸の時よませ給うける/白河院御製

おきつ風吹あげの千鳥 夜やさむき明がたちかき波に鳴くなり

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 『新千載集』から見つけられた熊野関連の歌は以上の1首のみ。もしかしたら見落としがあるのかもしれませんので、もし他にありましたら、メールや掲示板にてお知らせください。

(てつ)
2006.3.17 UP

 ◆ 参考文献

『新編国歌大観 第一巻 勅撰集編 歌集』角川書店

■『新千載集』に登場する熊野の地名
・熊野…5ケ所
 内、
 み熊野の浦…1
・発心門…1ケ所

■歌の作者
・源俊頼…1首
道命…1首
藤原成通…1首
・藤原公教…1首
・藤原経房…1首

■勅撰和歌集とは:
 天皇や上皇の命令によりまとめられた和歌集のことをいいます。
 10世紀初めに成立した最初の『古今和歌集』から15世紀前半の『新続古今和歌集』まで21集があります。順に並べると、

1. 古今和歌集
 (醍醐天皇)
2. 後撰和歌集
 (村上天皇)
3. 拾遺和歌集
 (花山院
4. 後拾遺和歌集
 (白河天皇
5. 金葉和歌集
 (白河院
6. 詞花和歌集
 (崇徳院
7. 千載和歌集
 (後白河院
8. 新古今和歌集
 (後鳥羽院
9. 新勅撰和歌集
 (後堀河天皇)
10. 続後撰和歌集
 (後嵯峨院
11. 続古今和歌集
 (後嵯峨院
12. 続拾遺和歌集
 (亀山院)
13. 新後撰和歌集
 (後宇多院)
14. 玉葉和歌集
 (伏見院)
15. 続千載和歌集
 (後宇多院)
16. 続後拾遺和歌集
 (後醍醐天皇)
17. 風雅和歌集
 (花園院)
18. 新千載和歌集
 (後光厳院)
19. 新拾遺和歌集
 (後光厳院)
20. 新後拾遺和歌集
 (後円融院)
21. 新続古今和歌集
 (後花園天皇)

となり、1〜3を三代集、1〜8を八代集、9〜21を十三代集、全部をまとめて二十一代集といいます。

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