『続古今和歌集(しょくこきんわかしゅう)』は、鎌倉中期、『続後撰和歌集』と同じく後嵯峨院の院宣により藤原為家が撰集した、11番目の勅撰和歌集です。
『続古今和歌集』20巻1915首のうち、「熊野」の語が登場するものは、詞書も含めて8首。
1.巻第六 冬歌 651(旧655)
法印良守熊野廿首歌とてすすめ侍りけるに、雪/藤原季宗朝臣
みくまのやいくへかゆきのつもるらん あとだにみえず うらのはまゆふ
2〜3.巻第七 神祇歌 734・735(旧738・739)
住吉社遷宮の後、熊野にまうで侍りしついでに、かの社によみてたてまつりし歌/太上天皇
神よかみなほすみよしとみそなはせ わがよにたつる宮ばしらなり
くまの河の舟にて
熊野川せきりにわたすすぎふねのへなみにそでのぬれにけるかな
4.巻第七 神祇歌 736(旧740)
くまのにまうて侍ける時、かんのくらにて太政大臣従一位きはめぬる事を思ひつづけてよみ侍ける /入道前太政大臣
みくまのの神くらやまのいはだたみ のぼりはててもなほいのるかな
5.巻第七 神祇歌 737(旧741)
人のすすめにてくまのへよみてたてまつりける/式乾門院御匣
なちのやまはるかにおつる滝つせに すすぐ心のちりものこらじ
6.巻第十八 雑歌中 1659(旧1667)
熊野にまうで侍りし次に、すみよしにてうらの松を/太上天皇
みつしほもきしべはるかになりはてて いまはうらなるすみよしの松
7.巻第十八 雑歌中 1672(旧1680)
熊野に詣で侍るとて、石代浜にてよみ侍ける/前中納言資実
いはしろのまつこともなきわが身さへ なにとうきよにむすぼほるらん
8.巻第十八 雑歌中 1712(旧1721) 入道前太政大臣
熊野にまうで侍りけるとき、うへのにてよみ侍りける
むかし見しのばらはさととなりにけり かずそふたみのかずはしらねど
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『続古今集』から見つけられた熊野関連の歌は以上の5首。もしかしたら見落としがあるのかもしれませんので、もし他にありましたら、メールや掲示板にてお知らせください。
(てつ)
2006.1.28 UP
◆ 参考文献
『新編国歌大観 第一巻 勅撰集編 歌集』角川書店
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