■ 熊野の歌

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◆ 新勅撰和歌集


 『新勅撰和歌集』は、鎌倉時代中期、後堀河天皇の勅宣により藤原定家が撰集した9番目の勅撰和歌集です。

 『新勅撰和歌集』全20巻1374首のうち、歌の本文に「熊野」の語が登場するものは2首、詞書に登場するものが1首。あわせて3首、「熊野」が登場する歌があります。

1.巻第十七 雑歌二 1151(旧1153)

しばし世をのがれて、大原山いひむろのたになどにすみわたり侍りけるころ、くまの御幸の御経くやうの導師のがれかたちもよほし侍りて、みやこにいで侍りけるに、しぐれのし侍りけれは、よかはの木のかげにたちよりてよみ侍りける/法印聖覚

もろともに山辺をめぐるむらしぐれ さてもうき世にふるぞかなしき

2.巻第十九 雑歌四 1331(旧1333)

百首歌に、眺望の心をよみ侍りける/入道前太政大臣

わたのはら浪とひとつに見くまのの はまのみなみは山のはもなし

3.巻第十九 雑歌四 1332(旧1334)

題しらず/七条院大納言

みくまののうらわのまつのたむけぐさ いくよかけきぬ 浪のしらゆふ

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 『新勅撰和歌集』から見つけられた熊野関連の歌は以上の3首。もしかしたら見落としがあるのかもしれませんので、もし他にありましたら、メールや掲示板にてお知らせください。

(てつ)
2006.1.21 UP

 ◆ 参考文献

『新編国歌大観 第一巻 勅撰集編 歌集』角川書店

 

 

■『新勅撰集』に登場する熊野の地名
・熊野…3ケ所

■勅撰和歌集とは:
 天皇や上皇の命令によりまとめられた和歌集のことをいいます。
 10世紀初めに成立した最初の『古今和歌集』から15世紀前半の『新続古今和歌集』まで21集があります。順に並べると、

1. 古今和歌集
 (醍醐天皇)
2. 後撰和歌集
 (村上天皇)
3. 拾遺和歌集
 (花山院
4. 後拾遺和歌集
 (白河天皇
5. 金葉和歌集
 (白河院
6. 詞花和歌集
 (崇徳院
7. 千載和歌集
 (後白河院
8. 新古今和歌集
 (後鳥羽院
9. 新勅撰和歌集
 (後堀河天皇)
10. 続後撰和歌集
 (後嵯峨院
11. 続古今和歌集
 (後嵯峨院
12. 続拾遺和歌集
 (亀山院)
13. 新後撰和歌集
 (後宇多院)
14. 玉葉和歌集
 (伏見院)
15. 続千載和歌集
 (後宇多院)
16. 続後拾遺和歌集
 (後醍醐天皇)
17. 風雅和歌集
 (花園院)
18. 新千載和歌集
 (後光厳院)
19. 新拾遺和歌集
 (後光厳院)
20. 新後拾遺和歌集
 (後円融院)
21. 新続古今和歌集
 (後花園天皇)

となり、1〜3を三代集、1〜8を八代集、9〜21を十三代集、全部をまとめて二十一代集といいます。

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